セルフリハビリ

リハビリは、通うことも大事ですが、症状に合った正しい体操を毎日自分で継続して行うことが極めて重要です。ここでは、自分でできるエクササイズの一部をご紹介いたします。
形だけ真似するのではなく、軟らかくする筋肉や、動かす場所を意識して行うことが重要です

A. 肩甲骨を動かす体操

1. 胸張り体操
① 手を前に出して、背中を丸めた姿勢を取りましょう。
② そこから、手を横に広げながら胸を張りましょう。

意識するポイント: 背中の動きを出すための運動です。①の時は、左右の肩甲骨がストレッチされていることを、②の時は、反対側の胸がストレッチされ、左右の肩甲骨の間が引き締まっていることを意識しましょう。
※ ②の時に、腰を反りすぎると、腰を痛めることがあります。

2. 肩すくめ体操
① 肩の力を抜きましょう。
② そのまま、まっすぐに肩をすくめるように、上げましょう。

意識するポイント: 肩甲骨の動きを出す運動です。肩甲骨を上下に動かすように意識しましょう。

1.と2.は、どちらも
肩甲骨の動きを出す体操です。このように、肩関節を直接動かすような体操をするのではなく、肩の周りを軟らかくし、生活上、腕を使うときに周りがしっかり動くようにして、肩の負担を減らすことが重要です。次は、胸郭を動かす体操です。


B. 胸郭を動かす体操

3. 胸郭伸ばし体操
① 背中にタオルを入れ、仰向けになりましょう。
② 手を頭の上に伸ばしていきましょう。

意識するポイント: ついつい、腰から反ってしまいがちです。胸を張るように意識しましょう。胸郭が伸ばされていることを意識してください。 

4. 胸郭ひねり体操
① 横向きに寝た状態で、両手を前に伸ばしましょう。
② そこから、体をひねりながら反対側に手を開きましょう。

意識するポイント: これも、腰をひねってしまいがちです。あくまで胸郭をひねるように心がけてください。

3.と4.は胸郭の動きを出す体操です。前にも書きましたが、肩甲骨周りや胸郭など、肩そのものではなく、肩の周りを柔軟にし、動きを出すように心がけましょう。

肩を動かすとき、腕を動かすときは、肩の関節だけ使って動かしているわけではありません。肩甲骨、胸郭その他、周りをフル活動させて動かしています。肩甲骨、胸郭等の柔軟性が失われると、腕を動かすときに肩の関節だけに負担が集中してしまうことになり、このまま使い続けていると、肩を痛める原因になってしまいます。したがって、普段から、
肩甲骨や胸郭などの、肩の周りを軟らかくしていくことは、とても重要なのです。