反復性肩関節脱臼
いわゆる「脱臼グセ」です。肩は一度脱臼すると、若年者ほど再脱臼しやすいのですが、これはほとんどが初回の脱臼時に、上腕骨が前方に脱臼しないように抑える役割を持つ「下関節上腕靭帯」が肩甲骨から外れてしまうことが原因です。この状態では自然修復することはなく、手術が必要となります。ただ、全員が再脱臼するわけではないので、さすがに初回の脱臼のみで手術が必要となることは少ないのですが、2回以上脱臼してしまった方は、やはり手術を検討した方がいいと思います。通常はやはり関節鏡を用いてこの部分を修復する「関節鏡下バンカート修復術」を行います。 通常、肩関節は、上腕骨と肩甲骨は「下関節上腕靭帯」という強靭な靭帯で結ばれています。「下関節上腕靭帯」は「関節唇」に付着しています。

手術の目的は、はがれてしまった関節唇を肩甲骨に結び、「下関節上腕靭帯」を再び緊張させることです。 「下関節上腕靭帯」の緊張は肩関節にとって非常に重要で、軽微な力で簡単に脱臼しやすくなっていた肩関節を安定化させることができます。




※ 通常、この手術を関節鏡(内視鏡)を使って行います。ただし、病態(壊れている部分や程度)や、社会的状況(例えば、スポーツ選手は競技特性や年齢など)によって、術式を変更します。